常磐線代行バスに乗車!仙台から東京へ 津波と原発の被害を受けた区間を通過|2019 旅行記

2020年→2021年 年末年始の旅
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ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は「2019年 常磐線旅行記」をお届けします。

常磐線で仙台から東京へ

2019年12月30日、仙台駅へやって来ました。ここからは普通電車を乗り継いで、この日のうちに東京まで移動します。

14時36分発の「原ノ町行き」に乗車。

東北本線の線路を走り、20分ほどで岩沼駅に到着。この先は常磐線経由で太平洋沿岸を南下します。2011年3月11日に発生した東日本大震災で、津波と原発事故の影響を大きく受けた区間です。

震災から約2か月が経った2011年5月までに、宮城県内の岩沼~亘理、久ノ浜(福島)~日暮里(東京都)間は運転を再開。10月には、福島第1原子力発電所の20~30キロメートル圏内で設定されていた緊急時避難準備区域の解除を受け、久ノ浜―広野間も運転を再開しました。

津波と原発の被害を受けた区間を通過

2011年12月、亘理~相馬間で列車代行バスの運転がスタート。また、比較的被害の少なかった相馬~原ノ町間は鉄道の運転が再開されました。

震災から1年が経った時点で、常磐線の運行状況はこんな感じ。震災から2年が経った2013年3月、次に運転を再開したのが亘理~浜吉田間です。この区間は、新たに建設された防潮堤などによって将来の津波への備えが出来ると判断され、震災前と同じルートを鉄道が走ることとなりました。

車窓からも防波堤が見える(2023年8月撮影)

なお、亘理~浜吉田間で鉄道の運行が再開した後も、亘理~相馬間の代行バス運行は続きました。これは、津波の被害が大きく、一部ルートを内陸へ移すことになった浜吉田~駒ケ嶺間で、用地買収の関係から運行再開の目途が立っていなかったことによるものです。

原発の警戒区域に含まれる相馬~広野間は、線路の点検も出来ない状態が続きましたが、2014年6月1日、原発から20キロ圏内の避難区域で初めて、竜田~広野間での鉄道の運行が再開。それからさらに2年後の2016年7月には、福島県南相馬市で原発事故に伴う避難指示が一部解除されたことを受け、原ノ町~小高間の鉄道も再開しました。

震災後に新しく作られたビニールハウスが並ぶ

同年12月には、山下駅・坂元駅・新地駅が津波で流された浜吉田~相馬間も運転を再開。この区間では、駅や線路が最大1.1キロ内陸側に移設され、移設区間の4割が高架化されるなど大がかりな復旧工事となったそうです。

仙台からの列車の終点・原ノ町駅に到着しました。

行き先が「普通」と表示されている、「浪江行き」の電車に乗り換えます。放射線量の高い区域を除いて、浪江町の避難指示が解除されたことを受け、2017年4月1日に小高~浪江間の運転を再開。この区間では地震でゆがんだ線路や電気設備、駅舎などの修繕も必要だったそうです。

新しくなった富岡駅(2023年8月撮影)

津波で駅舎が流出した富岡駅の移設工事が完了し、2017年10月には富岡~竜田間でも鉄道の運転が再開。常磐線に残された不通区間は福島第1原発が立地する大熊・双葉両町をまたぐ浪江~富岡間の20.8kmとなり、浪江~竜田間で運行していた列車代行バスは浪江~富岡間に変更されました。

東日本大震災以降、帰還困難区域では住民の一時立入りなどの特別な場合を除き、しばらくは自動車の通行も制限されていました。その区域を通るのが国道6号線です。

除染作業や道路補修作業が完了した後、通行証の所持・確認を必要とせずに国道6号線の通行が可能になったのは2014年8月15日のこと。2015年1月31日、原ノ町~竜田間で列車代行バスの運行がスタートしました。しかし、途中での停車はなし。自転車や歩行での通過は認められていませんでした。動画は2015年3月に国道6号線で原発付近を通過したときの映像です。

代行バスに乗車

その後、代行バスは経由地の追加や運行区間の変更などがあり、最後に残ったの運行形態が浪江~富岡間(ノンストップ)です。

原ノ町駅から浪江駅に到着。青春18きっぷユーザーと思われる方々で、ホームはなかなか混雑しています。

駅には放射線の線量計が設置されていました。浪江駅から福島第一原子力発電所までは約10km。一応この数値をネットで調べてみましたが、特に問題はないようです。

浪江駅では16時28分発の富岡行き代行バスに乗車。バスは2台来ており、電車からの乗り換えが済むと、案内も無く静かに発車。その後の車内放送も全くありませんでした。

私は2台目のバスに乗車しましたが、バスの車内は満席。代行バスへの乗車は先着順で、運が悪いと積み残しがあるまま、出発してしまうこともあるようです。

バスの車窓の動画。時刻は16時半過ぎ。雨も降っているせいで、すでに外は暗く、あまり景色は見えませんでした。

こちらは2023年8月、原発の近くを走る常磐線の車窓から撮った写真。この送電線を辿った向こうに、福島第一原発があるのでしょう。

浪江から約30分で富岡駅に到着。駅周辺は明るく、人の生活が感じられるようになっている印象を受けました。

代行バスからは、17時5分発「いわき行」の電車に乗り換え。

あとは順番に電車を乗り換えて、21時40分に日暮里へ到着しました。

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2020年3月14日、震災から9年の時を経て、常磐線は全線で鉄道による運行を再開し、代行バスは廃止となりました。ちなみに、国道6号が自転車や歩行で全線通行出来るようになったのは2022年10月のことです。代行バスが当たり前にならず、今回の体験が貴重なものになってよかったです。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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