三大綱引き 糸満大綱引へ!休憩がある綱引きに参加 30分間の勝負の結果は|2019 沖縄旅行記

南国日記~沖縄移住の記録~

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今回は【2019年 糸満大綱引に行ってきた】ので、そのときの様子をお届けします。

★与那原大綱曳に参加した時の様子は こちら

三大綱引き 糸満大綱引へ

沖縄三大綱引きのひとつに数えられる「糸満大綱引」。毎年旧暦の8月15日に開催され、2019年は9月13日に行われました。

会場となるのは県道256号線、糸満ロータリーから白銀堂まで約500mの区間。誰でも参加することが出来る一方、駐車場は用意されていないので、徒歩かバスでのアクセスとなります。

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私が到着したのは綱引きが始まる1時間前。すでにここから先は通行止めとなっています。

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こちらが糸満ロータリー。いわゆる環状交差点(ランドアバウト)です。その歴史は古く、米軍統治下の時代に導入され、現在は沖縄県内に唯一残るロータリーとして道路マニアにとっては有名な場所なのだそう。

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こちらが白銀堂。立派な鳥居が設けられていますが、ここは神社ではなく、沖縄の人々が拝みをする御嶽。本殿はなく、お堂の中にある自然の石筍が氏神として祀られています。

綱引きの前に、会場では先祖を供養するため、旧盆にエイサーを踊りながら集落を練り歩く行事 「道ズネー」が始まりました。

■ 参考:道ズネーとエイサーについて

そして、こちらの写真をよく見ると、少年が藁の塊に腰をかけて道ズネーを見物しているのが分かります。

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この藁の塊が、糸満大綱引で使用される「」なのです。

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綱引き当日は朝8時半から県道が封鎖され、道路上でこの綱が手作りされるため、道端には綱を作るときに出たカスが散乱しています。綱作りに用いられる藁の総重量は約10トンにもなるそうです。

総重量10トンの綱を引く

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こちらが綱の末端。ここから中心に向かって徐々に太くなります。

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もう手では握ることが出来ない太さになっていますが、先端はもっと太くなります。

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こちらが綱の先端部分。身長174cmの私の目線と同じ高さに綱があります。綱の隣に立っている女性と比べても、その大きさ分かります。

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歩道に置かれた巨大なカナチ(カヌチ)棒。綱は1本ではなく2本(雌と雄)に分かれています。綱引きをする時はその2本の綱をカナチ棒で繋ぎ合わせ、全長180mにもなる綱を引きあうのです。

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開始時刻の17時になりました。まずは開会の言葉が読み上げられます。道ズネーが行われている間は、雨が降ったり止んだり、やや不安定な天気でしたが、幸いこの時には止んでいました。

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続いて優勝旗の返還。年に1度、北組(ニシカタ)と南組(へーカタ)に分かれて綱を引き合い、勝利した方にこの優勝旗が渡されます。糸満市は沖縄戦で大きな被害を受けた地域であるためか、この綱引きがいつから行われているのか、はっきりとは分かっていないそうですが、戦後の成績は北組が37勝29敗6引き分けとなっています。

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ここで再び旗頭が一斉に並びます。旗に書かれている「ゆがふう」とは世の果報、すなわち豊年、豊穣、幸福などを意味する言葉です。

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爆竹が鳴り響き、ここが日本であることを忘れさせるような雰囲気の中、いよいよ歩道の柵に括りつけられていたひもが解かれ、糸満大綱引が始まります。

何時に終わるか分かりません??

道路の端に置かれた綱は、皆さんの力で道路の真ん中まで引きずります。ちなみに、この時・その場にいれば、誰でも綱引きに参加することが出来ます。会場でも「何時に終わるか分かりませんが、皆さんぜひご参加ください」とアナウンスがありました。

さらに綱を引きずって、雌雄の綱を近づけます。

雌雄の綱がカナチ棒で結ばれました 。与那原大綱曳はこの時点で勝負が始まりますが、糸満大綱綱引はここで一呼吸あります。

休憩がある綱引き参加

南北両陣営から「イチマンマギー」「マカビチャーン」という糸満の伝説上の人物に扮したシタクと呼ばれる、地元の中学生が戸板に担がれ登場。

シタクが綱の中央でにらみ合い、会場のボルテージは最高潮となったタイミングで、審判の旗が振り下ろされ、綱引きが始まりました。

皆さんで綱を引っ張る様子

糸満大綱引のルールは以下の通り。

  • 10m引いたほうが勝ち
  • 30分で10m引くことが出来ない場合は2m以上引いた方が勝ち
  • 双方2m以上引くことが出来ない場合は引き分け

勝利の基準『10m』を引っ張るのはなかなか大変です。しかも、勝負が拮抗している場合、『30分』も頑張らなければなりません。

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戦前(1946年以前)は時間制限がなく、勝負が決まるまで何時間も引き合っていたとも言われています。流石にそれは大変なので、綱引きの最中に「休憩」をするのが、糸満大綱引の特徴です。リーダーの方の合図で、皆さん一斉に綱の上に座ります。

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綱に座って電話をしている人もいる

サッカーのハーフタイムのように、お互いのチームが一緒に休憩を取るのではなく、もう一方のチームは綱を引っ張っているので、綱の上に座り綱を動かないようにするのです。

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そしてまた引っ張ります。おおよそ、1分引いて1分休むというようなペースです。

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初めから30分という制限時間内に、10mを引くつもりはないようです。休憩の時間を利用して、カメラマンさんも綱の上から写真を撮っていました。

開始から30分 勝負の結果はいかに

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それでも少しずつ、綱は動いています。

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現代のエイサーで、場を盛り上げながら、隊列の整理をする役割を果たす「チョンダラー」さんも登場。綱引き前の道ズネーもそうですが、一部エイサーと重なる部分もあるようです。

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そして、綱が10m動くことはなく、30分の勝負が終わりました。

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今年の糸満大綱引は30分で4m30cmを引いた北組が優勢勝ち。糸満大綱引は五穀豊穣・大漁祈願・家内安全・無病息災を願い、勝負の結果で吉凶を占う行事。勝敗よりも融和と調和を図り、絆を深めることが目的です。それを表しているのが「休憩」だなと思いました。

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最後には皆さん、綱を切って持ち帰ります。もちろんそう簡単に綱は切れず、のこぎりを持参していた人が率先してカットし(銃刀法…笑)、皆さんに配っていたので、私も綱を頂いてお土産に持ち帰りました。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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